電子内容証明とは
電子内容証明とは
近年は、インターネットの普及で内容証明郵便を電子郵便で出すケースが増えてきています。
電子内容証明の特徴
電子内容証明とは、内容証明郵便をインターネットを通じて郵便局に差し出す方式のことです。
差出人は、内容証明郵便の文書をワープロソフト(ワードや一太郎)で作成し、それを新東京郵便局へインターネットで送信します。すると、郵便局がその文書を内容証明郵便として受け付け、二通を作成して、一通を受取人に、もう一通を差出人に配達します。
新東京郵便局での受付は、インターネットを通じて行うため、二四時間受け付けています。
インターネットを用いて差し出すため、通常の内容証明郵便のように、郵便局へ行く必要はありません。また、封筒や差出人の押印も不要です。
郵便局から、受取人や差出人への送付は、インターネットを通じて行うのではなく、通常の内容証明郵便と同様、郵便局員が配達します。
通常の内容証明郵便は、一行二○字以内、一枚二六行以内という制限がありますが、電子内容証明郵便には、そのような制限はなく、一行に二一字以上、一枚二七行以上の文書を作成することができます。
もっとも、無制限というわけではなく、余白、文字ポイントサイズ、最大ページ数には一定の制限がありますので、注意が必要です。
まず利用者登録を行う
電子内容証明を利用するには、事前に利用者登録を行う必要があります。
利用方法は、
①クレジットカードを用いて利用料金を支払う方法と、
②料金後納にて利用料金を支払う方法があり、いずれかを登録します。
クレジットカード利用を選んだ場合は、新東京郵便局のほか特例承認局出事前の手続きが必要となります。これにはいろいろな要件があり、担保も必要です。クレジットカード利用の方法と異なり、即日登録できず、登録作業に数日かかります。
料金の支払いは、クレジットカード利用の場合は、月々の利用料金について、登録を行ったカード会社から請求が来ます。料金後納の場合は、所定の方法で請求が来ます。
電子内容証明ソフトをダウンロードする
利用者登録支払方法の手続きを完了したら、電子内容証明ホームページへ接続し、電子内容証明の作成に必要な専用ソフトウェア(e内容証明ソフトウェア)をダウンロードします。
e内容証明ソフトウェアは、内容証明郵便を扱う郵便局からインストール用のCD-ROMを無料で入手することもできます。
電子内容証明の作成
電子内容証明には、通常の内容証明のように、一行二○字以内・一枚二六行以内という制限はないと書きましたが、まったく無制限に文書を作成できるわけではありません。
電子内容証明文書の作成についての制約
- 文字ポイントサイズ
- 用紙サイズ
- 余白
- 文字等の制限
- 用紙の枚数
- 押印
一○・五ポイント以上四五○ポイント以下です。一行二○字以内という制限はありません。
A四判縦置きで横書きか、A四判横置きで縦書きです。
A四判縦置きで横書きの場合、全ページとも、上下右に各々一・五センチメートル以上、下に七センチメートル以上の余白が必要です。
A四判横置きで縦書きの場合、全ページとも、上下右に各々一・五センチメートル以上、左に七センチメートル以上の余白が必要です。
余白をどれくらい取るか、文字ポイントサイズをどれくらいの大きさにするかで、一行の字数や一枚の行数に大きく影響します。
余白と文字ポイントサイズの制限内であれば、一行何字にするか、一枚に何行書くかは自由です。
余白や文字サイズの取り方にもよりますが、だいたい通常の内容証明の三枚くらいの文字数が、電子内容証明一枚に記載できます。
外字は使用できません。文字の装飾は、太字や斜体のみ使用できますが、その他の装飾は使用できません。また、図や表を使用することもできません
最大五枚までとなっています。
不要です。
電子内容証明の差出し
電子内容証明の文書を作成したら、e内容証明ソフトウェアを起動し、郵便ファイル作成の画面へ進み、差出し文書の選択、差出人の入力、受取人の入力をします。
差出人・受取人の住所氏名は、本文中に自働挿入されます。
各受取人ごとに、速達、配達証明、親展を指定することができます。
ところで、電子内容証明も通常の内容証明と同じように、同文内容証明を利用することができます。受取人を複数指定した場合に、完全同文内容証明とするか、不完全同文内容証明とするかを選択します。
電子内容証明は、一度に一○○通まで差し出すことができます。つまり、事前に電子内容証明を複数作成し、一括で差し出すことができます。一括で差し出した方が、個別に差し出す場合より、料金が安くなります。
完成した文書は、郵便ファイルとして一つのファイルにまとめられ、電子内容証明ソフトウェアの郵便ファイル送信ボタンにより、インターネットに接続し、郵便ファイルを送信します。
差出しが完了すると、仮の受領証が表示され、差し出した内容証明が、郵便局で受付されたことがわかります。
これで差出しが完了です。
電子内容証明の配達
郵便局は、送信された電子内容証明本文をもとに、受取人宛ての郵便物と差出人宛ての郵便物とを作成し、専用の封筒に入れ、受取人宛ては書留郵便物として、差出人宛ては配達記録郵便物として配達します。
受取人宛てについての配達証明付きにした場合は、配達証明のはがきが、後日、差出人のところに届きます。
謄本の再度証明
差し出された電子内容証明の謄本について、再度証明を発行してもらうことができます。
ホームページを通して申し込むか、または内容証明を取り扱う郵便局でやってもらうことができます。
料金はいくら支払えばよいのか
①基本料金のほかに、②電子郵便料金、③電子内容証明本文に応じた内容証明料金、⑤書留料金が必要になります。また、差出人宛てに返送される謄本に関しては④謄本送付料金が必要です。
その他、配達証明、速達を選択すると、⑥配達証明料金、⑦速達料金が加算されます。
なお、同文内容証明として同じ内容の文書を複数の受取人に宛てた場合は、受取人宛手の二通目以降の料金が減額になります。