内容証明を郵便局で出す場合
内容証明を郵便局で出す場合
内容証明にする手紙文が書けたら、郵便局に行って、「これを内容証明郵便にしてください」と頼みます。
郵便局に持っていく物は
郵便局に持って行くものは、次のものです。
内容証明郵便にする手紙文(同文のもの)三通
封筒一通
差出人の印鑑
郵便料金
封筒は、表側に相手方の住所氏名を、裏側に差出人の住所氏名を書き、封をしないで持って行きます。
印鑑は、差出人の名前の下、訂正した個所、二枚以上の場合にはつなぎ目にあらかじめ押しておけば、必ずしも郵便局に持参する必要はありません。 ただ時々、句読点やかっこ等を見落として字数計算していたことを郵便局の係員に指摘され、その場で訂正しなければならないことがあります。
自分では間違っていないと思っても、訂正する場合もありますので、これに備えて、郵便局へ行くときには、印鑑を持参する方が無難です。
代理人の名前で差し出す場合には、代理人の印鑑を持って行きます。
取扱いをする郵便局は
内容証明郵便は、どこの郵便局からでも出せるというわけではありません。
郵便局には、郵便物の集配をする郵便局としない郵便局とがあります。内容証明郵便を取り扱うのは、集配郵便局と地方郵政局長とが特に指定した無集配郵便局に限られています。
内容証明郵便は、これを利用する者の権利義務に重大な関係を及ぼすものですし、また内容証明郵便の手続きは煩雑なので、内容証明郵便のことをよく知っていて、取扱いが可能な郵便局だけが行うことになっています。
どこの郵便局で取り扱っているのかわからない場合には、最寄りの郵便局に行ってたずねてみるか、あるいは電話して内容証明郵便を取り扱う郵便局を教えてもらうとよいでしょう。
出来れば、大きい局の方が無難です。(福井市中央郵便局など)
内容証明郵便を出すときの手続き
同文の手紙三通と封筒一通を郵便局の窓口に出しますと、
- 郵便局員はその文書が内容証明郵便のルールに従って書かれているかどうかを調べます。
- この審査に合格すると、郵便局員はその手紙の末尾余白に、「この郵便物は平成○○年○○月○○日第○○○号書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します ○○郵便局長」と記載し、その下に通信日付印を押します。一通だけでなく、同文の手紙三通全部につき行います。
- それができると、三通のうち一通を郵便局で保管し、一通を差出人に渡します。残りの一通は、郵便局員立会いの下に、差出人が封筒に入れて封をし、郵便局員に渡します。これが受取人に郵送されるのです。
- この時、郵便局員から差出人に「書留郵便物受領証」が渡され、内容証明郵便の差出手続きは終わります。
(字数はどうか、行数はどうか、訂正印が押されているか、つなぎ目に契印があるか・・・など)
書留郵便物受領証とは
「書留郵便物受領証」には、差出人誰々、受取人誰々の内容証明郵便を、いつ引き受け、引受番号は何番かが記載されています。
この受領証は、その書留郵便物がなんらかの事情により受取人に配達されなかった場合に生ずる損害賠償を郵政公社へ請求するときに必要ですし、また郵便局に保存してある内容証明郵便を閲覧したり、あるいは内容証明郵便を紛失した場合にサイド証明をしてもらうときにも必要ですから、大切に保管しなければいけません。
なお、郵便局には差出人本人が行く必要はなく、お使いの人が持って行って手続きをしても差しつかえありません。
配達証明にすることを忘れずに
郵便局で内容証明郵便を出すときは、窓口で必ず「配達証明付きでお願いします」と言ってください。内容証明郵便にしただけでは、当然には配達証明にしてもらえません。
配達証明をしてもらわないと、せっかく内容証明郵便にして、いつどんな手紙を出したのかという証拠を残しておいても、差出人には、その内容証明郵便が受取人に配達されたのかどうか、配達されたとすれば、いつ配達されたのか、わかりません。それでは内容証明郵便にした意味がなくなります。
配達証明とは
配達証明付きにしてもらいますと、一週間ほどして、郵便局から差出人宛てに、○○年○○月○○日受取人に配達したことを証明しますという郵便物配達証明書(はがきの裏面に記載されています)が送付されます。
これが、内容証明郵便がいつ配達されたかの証拠になるものです。
この配達証明書は、内容証明郵便や書留郵便物受領証と一緒に保管しておきます。
配達証明を頼む場合は、配達証明料が必要です。平成一五年四月一日現在三○○円です。
配達証明は、内容証明郵便を出すときに頼むのが普通ですが、出したあとでも差し出した後から一年以内なら配達証明をしてもらえます。その場合に必要な配達証明料は四二○円となります。
内容証明郵便に要する費用は
内容証明郵便を出す場合には、次のような費用がかかります。
- 内容証明料
- 書留料
- 通常郵便物の料金
- 配達証明料
受取人に出す手紙文が一枚のときには四二○円、一枚をこえる場合には、二枚目から一枚ごとに二五○円増しです。
内容証明郵便は書留にする必要がありますので、書留料四二○円が必要です。
通常郵便物としての料金が必要です。
定型で二五グラムまで八○円、五○グラムまで九○円です。一般に、内容証明郵便は長文になることはありませんので、普通は八○円で足りるでしょう。
配達証明を、内容証明郵便差出しの祭に依頼すれば三○○円、差出し後であれば四二○円です。配達証明を付けなければ、もちろんこの料金は不要です。
手紙一枚で配達証明付きの場合は、内容証明料が四二○円、書留料が四二○円、通常郵便物の料金が八○円、配達証明料が三○○円、合計一二二○円です。
手紙二枚の場合は、内容証明料が基本の四二○円と一枚の増加分二五○円、あわせて六七○円となり、全部合計すると一四七○円です。
これを速達にする場合は、速達料二七○円(ただし二五○グラムまで)が加算されます。
ここに述べた料金は、平成一五年四月一日現在のものですから、その後の改訂には充分に注意してください。
これらの料金は、郵便切手で納めます。料金のうち内容証明料(手紙一枚の場合は四二○円、二枚の場合は六七○円、三枚の場合は九二○円)の切手は、郵便局に保存しておく内容証明郵便の最終頁の余白(なるべく上部)に貼りつけます。
そのほかの料金合計(配達証明なしの場合は五○○円、配達証明付きの場合は八○○円、その上さらに速達にした場合は一○七○円)の切手は封筒に貼ります。
切手をどこにどう貼るのかは、郵便局の方でもやってくれます。
二人以上の受取人に対し同文内容証明郵便を出す場合
完全同文であれ、不完全同文であれ、二人目以降については、内容証明料だけが半額になります。
受取人二名で手紙文一枚の場合の内容証明料は、四二○円プラス二一○円、合計六三○円です。手紙文二枚なら、合計一○○五円です。
また、受取人三名で手紙文一枚の場合の内容証明料は八四○円、手紙文が二枚ならば一三四○円となります。
その他の料金(書留料、配達証明料、通常郵便物の料金等)は、割引とならず、受取人二名なら二名分、三名なら三名分の料金がかかります。
郵便局に保存しておく内容証明郵便に貼る切手代(内容証明料)は安くなるけれど、封筒に貼る切手代は、同文の内容証明郵便でも変わらないということです。
内容証明郵便の閲覧
差出人が内容証明郵便を紛失した場合には、差し出した郵便局に行って、自分の出した内容証明郵便を閲覧することができます。その場合、郵便局から受け取った書留郵便物受領証を示さなければなりません。
郵便局は、内容証明郵便を五年間保存しておくことになっています。
その保存期間内なら、いつでも閲覧できます。閲覧できるのは、差出人だけで、受取人や第三者は閲覧できません。
内容証明郵便を出したことの再度証明
差出人が内容証明郵便を紛失した場合、郵便局で閲覧し、自分が出した内容証明郵便とそっくり同じものを作って郵便局に持って行きますと、その郵便物が内容証明郵便として差し出されたことを証明してくれます。
これを再度証明といいます。
この証明をしてもらうときにも、書留郵便物受領証を持参する必要があります。この証明を受けられるのも、内容証明郵便が保存されている五年間に限られます。
平成一五年四月一日現在、閲覧料は四二○円、再度証明料は内容証明料と同じで、受取人に出した手紙が一枚のときは四二○円、二枚目からは一枚ごとに二五○円増しです。